塗装マニュアル   tokiwa-kai


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完全塗装マニュアル
著 tokiwa-kaiけん^^;

上の断面図が基本的な構造。塗装前の楽器もこのような感じですので、塗装後もこのようになるように頑張りましょう(^^)g
(実際はサンディングシーラ−の前に目止めがあります。生木から塗装する場合は目止めも必要です。目止めについては自分的塗装論でちょっとだけかじってあります。)

基本行程
 
1 旧塗膜ハクリ→2 目止め、下塗り(中塗り)→3 捨て吹き→4 本吹き(クリアー含)→5 磨き




1 旧塗膜ハクリ

サンドペーパーで色を剥ぐ方法(左)とスクレーバーを使って剥ぐ方法(右)がある。
ペーパーで剥ぐ場合は『あてゴム』などを使用し、平面を出すように。

スクレーバーを使用する時は木部まで削らないように、集中してやりましょう。また曲面はペーパーで地道にはぐように。


色はぎは非常に重要な箇所です。塗装初挑戦という方は地道にペーパーを使ったほうが無難でしょう。左画像はシーラーまで剥いだときとシーラーを残した時の差です。

注意1サンディングシーラ−を残し、かつ当てゴムなどで平面に仕上がっているなら、次の工程『目止め』『木地調整』は省いて結構です。


注意2シーラ−を剥がしてしまったら、捨て吹きの前に必ず目止めが必要です。


注意3ナチュラル塗装をする場合は、わずかな削りムラも仕上がりに影響しますので、サンディングシーラ−を剥ぐなら全部剥ぎ、剥がないなら全体に残すようにしましょう

また、どうしても曲面部が多く削れてしまいます。(ボディトップと側面のRとかザグリ部のキワの部分など)まずは平らな部分を中心に剥いでいき、平面部が終わってから曲面を剥ぎましょう。

これは表面をフラットに仕上げるために使用するあてゴムです。ボディトップ、ボディバック、また側面の一部で使います。側面と表面のアール部分には使用しないように。(形が変わります)
市販されていますが、平らな板や平らな硬いゴムなどを流用できます。

この丸いのは、ボディの『ツノ』部分を楽に削るために使っています。
鉄パイプに硬めのゴムを巻いた自作品ですが、全然使えますよ^^
ツノ部分の色はぎは結構しんどいから、重宝してます

これは便利!『ダブルアクションサンダ−』とか『ランダムサンダ−』とか言いますが、ペーパーを貼り2重の円運動でムラなく平面に削ってくれます♪しかも早い^^手作業の1/10くらいの時間で楽に削れます。

僕が使っているのはエアー式ですが、電動式も5000円くらいで売っています。 ミニランダムサンダ MRS-200 早く仕上げたい、これからもリフするといった方にはおすすめです^^g





2 目止め、下塗り(中塗り)(もっと詳しい目止め

左のような生の状態で本塗装すると、塗料をガンガン吸い込んでキレイに仕上がらないどころか、音質激ダウンです。
そこで『目止め』が必要になってきます。
本来は『ウッドシーラ−』というのを使用しますが、これは店頭にはありません。
(塗料店から取り寄せという形では入手できるかも) しかし、ウッドシーラ−の代用で店頭に並んでいるものもあります。

木工用プライマースプレー、木工シーラ−、セラックニス、水性ニスetc..


水性ニスを使用する際は、その後はラッカー塗装しかできません


スプレー系のプライマースプレーや水性ニススプレーが使いやすいです。

導管の深い材の目止めには、ウッドシーラ−を塗布する前に「との粉」を使って導管を埋める必要があります。
詳しくはこちらで説明しています。

目止めも塗装の一種ですので、この段階から吊るしての作業です。
針金などでもいいのですが、写真のような『ハンドル』を使えば持ちながら塗装ができるので、とても便利です。全体をまんべんなく塗装でき、また塗装後に吊せるような「穴」を開けておくとその後の保管も楽です。
ちなみに自作です^^;

左がウッドシーラ−です。これが染み込み防止とヤニ止めの仕事をしてくれます。
スプレーガンで吹くのが楽ですが、『刷毛塗り』でも大丈夫です。

刷毛塗りの場合は乾いた後にペーパーで軽く整える必要があります。

目止め材はべっとり塗らず、しっとりと『ぬれ色』になる程度で

これがサンディングシーラ−です。店頭に売っています。これは簡単に言えば『透明なパテ』のようなものです。白濁色ですが乾けば『あめ色』になります。
スプレーガンで吹くのが楽ですが、『刷毛塗り』でも大丈夫です。

サンディングシーラ−は乾いた後にペーパーで整える必要があります。

表面のスムージングが目的ですので、できれば厚く塗ってスムージングの許容範囲を稼ぎましょう
また、このサンディングシーラ−を塗らないで本塗装に進む塗装方法もあります。代用にプラサフが使用可能ですが、色付きだから塗りつぶし専用となります。

サンディングシーラ−が乾いたら、一旦吊るすのをやめ、ペーパーがけです。
240〜320番のペーパーを『あてゴム』使ってスムージングします。
このサンディングシーラ−というのはとても研ぎやすいです。ガンガン削れるのでさほど苦にはなりません。逆に完成に近づくので嬉しくなってきます。表面が平面になるまでペーパーをかけましょう^^

目止めと木地調整が終わりました。色も『あめ色』になり、表面もさらさらです。
ここまでくれば後は本塗装ということになります。やっとリフィニッシュらしい作業ができますね^^
目止めや素地調整は最初からすればかなりの手間ですが、『オールラッカー』を望むなら必須作業です。なぜなら、メーカーなどの製造では、ウッドシーラ−もサンディングシーラ−も『ポリ系』ですから。。。





3 捨て吹き

捨て吹きには大変重要な意味があります。(ナチュラル塗装の場合は[捨て吹き]にも[クリアー]を使用。)
捨て吹きは[試し塗り]みたいなものです。今まで気付かなかった傷、へこみを容易に確認でき、また、色のハジキも確認できます。要するに塗装前の最終チェックです。薄く塗って下さい。また、捨て吹きには基本的に[白系]を使用します。
『なぜ?』と思われるかもしれませんが、色によって[塗料ノリ]が違います。[赤][黄][青]系の色は[ノリ]が非常に悪く、厚く塗らないといけないのですが、下地に白を塗ることによって、塗料ノリが数倍良くなります。
最終的に格段に薄く仕上げることができます。

左のように、徐々に塗装していくとタレずに塗装できます。しかし間を置き過ぎると塗装面が荒れることもありますので程々に時間を置いたほうがよいでしょう。下の木目が隠れる程度でよいです。


この段階で塗料のハジキを確認したら、その部分になにかしらの問題があります。そのまま塗っても問題は解消されませんので、ペーパーを軽くあてて再度塗装してください。
また、光にさらしてボディが波うっているような反射がありましたら、パテ修正という方法もあります。(着色塗装の場合はパテで可能ですが、ナチュラル系の場合はサンディングシーラ−を使用します)
パテ修正の仕方は下の図のような感じです。この時は[当てゴム]を必ず使いましょう。





4 本吹きandクリアーコート

さあいよいよ本塗りです。スプレーと塗面の距離は15〜25cmほど。スプレー噴射時には1ケ所に塗らないようにたえず手は止めないように。理想は左から右へ流れるようにです^^g


画像左のように霧が付着する程度でよいと思います。それをくり返すと右のようになります。この行程を1セットとし(タレ防止)、4〜5セットもくり返すとムラもなくなるでしょう。もしムラがあるようなら、その箇所にだけちょこちょこ塗って下さい。
塗ったあとは3時間くらいは触らないこと!理想は一晩乾かしたほうが良いですね。続けてクリアーを塗るのですが、要領は一緒です。ただ、着色が終わってから1時間くらいあけておいたほうがいいかも。
もしタレた場合は下の図のようにして補修ができます。


使用ペーパーは水研ぎ用の800or1000番です。ペーパーに水につけ濡らしながらゆっくりと研磨します。この作業はタレが確認された段階で、硬化後、即刻行なわなければいけません。
例えば、赤の着色を行った時にタレた場合は、クリアーを塗る前に処理します。赤のタレがあるのにクリアーを塗って、その後にタレ補修を行ったら、明らかにその部分の色は違います。
硬化も待たないといけないので、かなりのロスタイムになりますので、できるだけ避けるようにしましょう。




5 研磨作業(もっと詳しい研磨

最終段階、[研磨]です♪完成まであと少し。地道に丁寧に作業した苦労がここでいっきになくなるでしょう(^^)
左図が研磨前。右が研磨後。たばこの反射を見ればその差は一目瞭然!!


上図は論理的な[磨き]の必要性。この行程を踏まずに『塗装失敗した』という方が多いのではないでしょうか?
塗装後の表面は波うっています。この波を消し平らな表面にするのが[磨き]です。頑張れば鏡のようになります^^g

研磨についての詳しい解説はこちらで行っていますので参考にしてください。






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